活育教育財団はどのような活動をされていますか

主な活動は2つあります。まず、高校の設立に向けて準備を進めています。私共のメンバーには、長野県にあるインターナショナルスクールを立ち上げた経験者もいるので、そうした知見を活かしつつ、世界中から最先端の教育プログラムを取り入れようとしています。そして、イキイキと生き続ける力をもった人間を育てることが、私たちの目標です。学校設立に向けた準備として、中高生向けのサマーキャンプや、学校での通年授業などの活動を行なっています。

もう一つの活動は研修事業です。経済産業省が推進するプロジェクト「未来の教室」の実証事業として、教職員向け研修サービスを実施しています。

教職員向け研修サービスとはどのようなものですか

未来の教室は、既存の学校教育現場に、時代の変化に合わせた教育手法や最先端技術を取り入れようとする、経済産業省が推進するプロジェクトです。例えば、生徒の能動的な活動を促すPBL（問題解決型学習）が教育現場で注目を集めていますが、既存の先生はPBLの経験が無いのでどうすればいいか分からない。そこで私共が、未来の教室の実証事業として、学校の先生を対象にPBLに必要なファシリテーション能力を身に付けられる研修を実施しています。

BioGraphを導入する以前の課題を教えてください

未来の教室の教職員向け研修を実施するにあたり、参加する先生を募集することになりました。打ち合わせを進めていく中で、この研修には大きなニーズがあり、全国から応募が殺到することが予想されました。

私共としては、応募していただいた全ての先生に研修に参加いただきたいと考えました。ただし、研修に参加できる人数には限りがあるので、選考しなければいけなくなりました。

履歴書で選考する方法もありますが、どのような選考方法を考えていましたか

先生の履歴書は、おそらく誰のものでも似たような内容だと思います。大学で教育学部を出て、教員になって。ですから、履歴書では伝わらない、その人の雰囲気などを動画で探りたいと考えていました。

最初に考えた方法は、3つの質問に対して、先生ご自身で回答するところを動画に撮っていただき、それを私共にメールで送っていただく流れです。しかし、実際に試してみると問題がありました。動画をメールに添付しても、容量オーバーで送れなかったんです。

よく考えてみると、何百人もの先生から一斉に動画が送られてきたら、それを管理するのが大変だと気付きました。たまたま、社内の者が海外の録画選考サービスを利用したことがあり「便利だよ」と教えてくれたので、Katsuiku Academyでも同様のサービスを検討することになりました。

ビデオチャットを使ったライブ面接ではなく録画選考がいいと考えた理由は何ですか

100名以上の応募が予想されていましたので、ライブ面接ですと日程調整が大変です。録画選考なら、私共も手間がかからず、応募者の方々にも好きな時間に録画選考を受けていただけるので、お互いにメリットがあります。更に、私共としては動画を収集する手間も省けます。圧倒的に録画選考が便利だと考えていました。

何社くらいの録画選考サービスを、どのような観点で比較検討しましたか

５～６社のサービスを比較しました。私共は創業間もない法人なので、コストは重要な選定ポイントです。ある会社のサービスは、年間のコストが100万円以上もするので、導入するのが難しかったです。また、価格的にはリーズナブルなサービスもありましたが、まだ実績が乏しく「サービスが継続されるか心配」という社内の声もあり、信頼性の観点で検討から外しました。

コストと信頼性の2つの他に、BioGraphを選定した理由はありますか

BioGraphのUI（ユーザーインタフェース）がとても使いやすかったことも選定理由です。他社のサービスを使わせていただいたところ、機能が複雑すぎてよく理解できませんでした。BioGraphの場合は、マニュアルを見たらすぐに使うことができました。それから、利用者がアカウントを作る必要がない仕組みも気に入りました。

導入はスムーズでしたか

ある時、面接を受ける予定の応募者の方から「録画選考の音が出ません。どうすればいいですか」という問い合わせがありました。私がサポートセンターに質問すると、担当者の方は直ぐに原因が分からなかったようですが、いろいろ調べて頂いたみたいで、解決策を連絡くださいました。BioGraphの問題ではなく、応募者の方のスマートフォンの設定の問題だったのですが、サポートセンターの方は真摯に対応くださり、とても助かりました。

実際に募集を始めると、どれくらいの応募がありましたか

約40人の定員に対して180人ほどの応募がありました。

何人で応募者の選考にあたりましたか

選考には3名の社員が関わりました。皆が好きな時間にパソコンで動画を確認できるよう、アカウントとパスワードを共有しました。

録画選考は成功したとお考えですか

はい、そう考えています。やはり、履歴書だけでは分からないことがあると実感しています。もちろん録画選考がその人の全てを伝えているとは思いませんが、その人の雰囲気が伝わるのは動画の力だと思います。

私共は、「PBLの実践に取り組んでいるけど課題を感じている」という意識の高い先生方に研修へ参加して欲しいと考えていました。録画選考を通して、その先生がどれだけ課題意識を持っているのかを間接的に知ることができたと思っています。結果、研修へ参加するのに相応しい先生方を選ぶことができました。

録画選考をご利用されてみて「もっとこうすれば良かった」という気づきはありましたか

一つだけあります。今回は、録画選考の質問を1パターンしか設定しませんでした。次回は、応募者の属性によって質問を変えてみるのもいいかなと思いました。いろいろパターンを用意することで、より応募者のことを知ることができるかもしれない、そんな事を考えています。

今後、WEB面接システム『BioGraph』をどのように活用していきたいとお考えですか

毎年、夏に中高生向けサマーキャンプを実施しています。応募者が年々増えているので、次回からはBioGraphで参加者を選考したいと考えています。それから、準備している高校の設立が決まれば、教職員の採用にもBioGraphを活用できると考えています。

福井さん、ありがとうございました！